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Brave GNU World

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Georgの

Brave GNU World

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第3号

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GeorgのBrave GNU Worldの第3版へようこそ。 このコラムの名称は上手く選ばれたようです。 Francois Thunusによってフランス語の翻訳が行われた後、 Hurdのハッカー、 OKUJI Yoshinoriがウェブページ [3] に日本語の翻訳を加えました。

フランスのGNU/Linux雑誌もこのコラムを印刷することに興味を示しました。 これらの発展に驚いて、私は今Brave GNU Worldのロゴを考えているところです。 意見や提案をとても歓迎します - ちょっとそれらを電子メールで送ってください [1]。

ほとんどの人々はHurd [4] について聞いたことがありますが、 それが本当に何なのか知っている人はほとんどいません。 私はHurdを非常に重要だと考えているので、 今回の号ではそれについて、いつもより若干長めの報告から始めましょう。

The Hurd

ほとんどみんながHurdはUnixシステム用のカーネルだと知っています。 もっと正確に言うと、Hurdは改良されたMach 4マイクロカーネル [5] である、 GNU Machの上で動作するサーバの集合です。 Linuxは一枚岩なカーネルで、 全てのドライバとシステム・ルーチンを、 巨大な一塊のメモリに組み込んでいるのに対して、 Machマイクロカーネルはカーネル・サーバの通信や組織化、 ハードウェアに対する基盤を提供するだけです。 Hurdはこれに基いて、ユーザがカーネルに期待する機構を提供します。

これは何を意味するのでしょう? 通常のユーザはほとんど何の違いも認められないでしょう - モジュール方式のアプリケーションはより速く動き、一枚岩なものはより遅く、 そして残りは同じぐらいでしょう。 より上級のユーザは安定性や機能性を危険にさらさずに、 Hurdのカーネル・サーバを自分自身のものと安全に置き換えることができます - 他のユーザは気付きさえしないでしょう。 激しい変更をカーネルに行い、 運用中のノードでそれらを試してみたいカーネル・ハッカーには真の楽園が開かれているのです。 最悪の場合でも、 コア・ダンプが起きてそのサーバ・プログラムを再開させるだけでよく、 他のユーザには影響しないのです。

Hurdの研究はオブジェクト指向モデルが流行する前に始まったので、 Hurdは今でもなお Mach Interface Generator (MiG) や CMU C threads (cthreads) を使っています。 CORBA [6] や POSIX threads (pthreads) に転換することが現在の目標の一つです。 MiGやcthreadsの使用法を知っている人はほんの少数しかいないので、 このボトルネックを克服するのを手伝ってくれるボランティアがとても必要とされています。

CORBAやpthreadsへの転換が終われば、Hurdの作業はずっと簡単になるでしょう。 (GNOMEのような) CORBAに基くアプリケーションは「glue code」 (プログラムの要求とシステムの機能を仲介するソース・コード) をあまり必要としなくなるでしょう。 アプリケーションはより速く、より小さく、より単純になるでしょう。

どういったことがすでになされているのでしょうか? Hurdチームと合同で、DebianディストリビューションのMarcus Brinkmannが Debian GNU/Hurdディストリビューション [8] のたくさんの作業を行い、1999年の1月には、開発者がダウンロードできるよう、 すでに最小限のシステムを提供しました。 Thomas BushnellとRoland McGrathにMark Kettenisが加わって、 重要なHurdとglibcの開発を一緒に行っています。 OKUJI YoshinoriはLinuxのデバイス・ドライバを移植する作業を行ったので、 gnumach-1.1.92はLinux 2.0.36とほぼ同じハードウェアのサポートを有しています。 彼はまた、Gordon Matzigkeitと一緒に、 素晴しい機能の付いたmultiboot可能なブートローダ、GRUB [7] を更新しました。

Free Software Foundationに最近雇われたGNUリリース・コーディネーター、 Gordon MatzigkeitはDebian GNU/Hurdが2000年の1月までに安定性と有用性において、 Debian GNU/Linuxに匹敵するようになるだろうと期待しています。 彼の目下の職務はその開発団体をより開放的になるように再編成し、 他の人が参加しやすくすることです。 これらの目標を達成するにはたくさんの人々の協力が必要であり、 あらゆる人の参加を歓迎することを指摘してもらいたい、と彼は私に頼みました。 Debian GNU/Hurdメイリング・リスト [9] にメールを書けば、 どうやったら手伝えるのかを見出すことができます。

関係のある話題を続けます。 「公式のGNUプロジェクト」とは何を意味するのか、 そしてどうやってあるプロジェクトがそうなるのでしょうか?

公式のGNUプロジェクト

まず最初に、あるプロジェクトはFree Software Foundationと共に同意することで、 「公式のGNUプロジェクト」となります。 FSFが有用だと考えている、 GPLやLGPLに保護された各プロジェクトはGNUプロジェクトになることができます。

全てのGNUプロジェクトは一様なシステムを作成するために特定の標準 [11] を守っています。 例を一つ挙げると、コマンド・ラインの長いオプションをサポートすることです。 大抵GNUシステムに加入する最初の段階は、 プログラムをこれらの標準に準拠させることです。 これらのあまり重要でない調整作業を努力することを別にして、 GNUプロジェクトは自由と各ユーザの責任を信条としています。 GNUプロジェクトで作業しているあらゆる人がGNUのマシンのアカウントを手に入れ、 その他の資源 (CVS、www.gnu.org、ftp.gnu.org) を使用することができます。

自分のプロジェクトが「公式のGNU」になった開発者は、 変化にあまり気が付かないでしょう。 彼または彼女はそれでもなお独りで開発しても構わないし、 そのプロジェクトの他の人と一緒にやっても構いません。 そしてその開発者が興味を持っている限り、 彼、あるいは彼女、はそのプロジェクトの責任を持ち続けるでしょう。 ときどき開発者は興味を失い、そのプロジェクトは長い間 (何年もでさえ) 止められてしまいます。 するとGNUプロジェクトは新しい管理者を見付けようと試みるので、 そのプロジェクトは死なないのです。

プロジェクトやプログラミングの能力がない場合でさえ、 「GNU」になる可能性があります - その情報はウェブページ [12] で見付けられますし、 どうやったら貢献できるか、GNUプロジェクトに直接尋ねることができます [13]。

GNUユーザ団体

今月号を台湾出身のWei-Lun Chaoの質問で締め括ります: 「なぜGNUユーザ団体が全くないのか?」 私はこの質問を見送りたいです。 「GNU Networked Users of Germany」 とかそんな感じの素敵な再帰頭文字語を見付けられる、という事実を別にすると、 GNUユーザ団体は前々からの懸念で、 最初に私にメールを送ってくれた人が確実に Brave GNU World の記事になるでしょう。

いつものように、批判や意見、質問を抑えようと思わないでください。 宛先は情報の箱で見付かります [1] 。

情報

[1] 意見、批判や質問は Brave GNU World <column@gnu.org> まで
[2] GNUプロジェクトのホームページ http://www.gnu.org/
[3] GeorgのBrave GNU Worldのホームページ http://www.gnu.org/brave-gnu-world/
[4] GNU Hurdのホームページ http://www.gnu.org/software/hurd/hurd.html
[5] Mach 4プロジェクトのホームページ http://www.cs.utah.edu/projects/flexmach/mach4/html/Mach4-proj.html
[6] CORBAのホームページ http://www.omg.org/corba/
[7] GRUBのホームページ http://www.uruk.org/grub/
[8] Debian GNU/Hurd http://www.gnu.org/software/hurd/debian-gnu-hurd.html
[9] Debian GNU/Hurdメイリング・リスト debian-hurd@lists.debian.org
[10] Marcus Brinkmann: Marcus.Brinkmann@ruhr-uni-bochum.de
[11] GNU Coding Standards http://www.gnu.org/prep/standards_toc.html
[12] GNU Development Resources http://www.gnu.org/software/devel.html
[13] GNUプロジェクト: gnu@gnu.org


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Copyright (C) 1999 Georg C. F. Greve, German version published in the Linux-Magazin

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Updated: Last modified: Mon Jul 5 01:15:14 JST 1999